サブリースの契約書なんてただの紙切れと思った方が良い話

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約半年ぶりの投稿です。

この半年間で色々な対応をしていました。ざっと主な対応を挙げてみます。

・サブリース会社が飛んだ。(連絡つかず、最終的には破産した)

・サブリースしていた物件の現状回復(空室率約70%!【7部屋/13部屋中】)

・新しい物件の購入

この中でも、「サブリース会社が飛んだ」話は中々スパイシーな経験でしたので、少しでも考察を残しておきたいと思った次第です。

昨日のヤフートップニュースにも、サブリース関連で、

絶対儲かるといわれたアパートローン「私はこうして破産した」

のニュースが取り上げられています。最近よく目にするこの手の話題。

 

まずサブリースとは?

サブリース(sublease)とは又貸し、転貸のことである。不動産賃貸においては転貸を目的とした一括借上(いっかつかりあげ)のことをサブリースと言うことが多い。近年、社会問題として取り上げられることが多々ある。

出典:ウィキペディア

 

契約書がただの紙切れになる2つの理由

この記事にあるオーナーは契約書を良く読んでいないという痛さがあります。その一方、優秀なビジネスマンは、「自分ならそんな事はしない。契約書を熟読する。」と言う方も多いと思います。

私もサラリーマンの時は、契約書の作成と締結の優先度を高く行っておりました。しかしながら、実際の現場では、ただの紙切れになるケースが散見されました。そこで悟ったのが下記の二点です。

1.潰れればおしまい

身もふたもありませんが、そのとおり、おしまいです。

いくら「契約書と違う!」と主張しても、お金の無い所からは何も取れません

せめて詐欺罪で告訴するぐらいでしょう。ただ事件性を証明するのは非常に難航します。件数が多くや額も多額でないと厳しいでしょう。

また、そもそもの動機を考えてみてください。

「何のために不動産投資をしたか?」

それは、

・賃貸収入で老後の年金の足しする為

・相続税を減らし、下の世代に迷惑を掛けずに遺産を相続する為

と言った方が多いと思います。

告訴した所で、お金が増えるわけでも、相続税が下がる訳でもありません。ただ弁護士費用や告訴の実費で余計なお金が掛かるだけです。

 

下記は、私が実際に体験したサブリース会社が潰れたケースです。

  1. 2016年3月中旬。サブリース会社Aから払われる家賃が2カ月間払われていない事に気づく。
  2. サブリース会社Aに電話するも出ない。メールも返信はなし。
  3. 社長の携帯に電話するも「現在電話に出る事ができません」案内が流れる。勿論メールするも返信はなし。
  4. 私の別物件を管理している管理会社Bに当該物件を見に行ってもらう。
  5. 見に行った際、偶然住人に会う。「サブリース会社Aから管理会社Cへの変更案内があった」との事。(私には何の連絡もない)
  6. 変更先管理会社Cに連絡し、サブリース会社Aが破産申請している説明を受ける。(この時点で管理会社Cが私になんとかして連絡を取らないのが怪しい。
  7. その管理会社Cは潰れたサブリース会社Aとの親交があった噂もあり、管理会社の変更を実施。

と言う流れです。ざっと1.から7.まで約3カ月掛かりました。

最悪な時期としては、3.の誰とも連絡が通じない時期でした。私の物件だけど、鍵がないので、全部の鍵を交換しなくてはいけない可能性がありました。また現入居者との契約書もないので、契約書の写しも貰わないといけない状況も考えていました。

もし、偶然に住人と会わなかったらと思うと、もっと長期間にわたり不穏な日々を送っていたと思います。

ちなみに潰れたサブリース会社の社長とは、昨年12月に接待までしました。その時は何もそのような傾向は見られませんでした。むしろ本業は絶好調で、昨年度は30億の売上。帝国データバンクの評価では、札幌で2番目に安全な不動産会社と言う評価を貰ったとの事でした。

 

2.契約履行順守は可能。でもそのうち潰れる

レオパレスや大東建託と言った大手はブランドイメージを気にします。なので、裁判を起こされても和解金を払える体力があります。

ただ、重要な事は、「契約を遵守しても、ビジネスモデルに欠陥があれば長くは続かない」という事です。

空室が埋まらないにも関わらず、(利益分を引かれた)満室想定家賃を払い続けたら、どうなるか。そのような物件が全国で沢山建てられていたら、あきらかに、行き詰まります。記事のように満室想定家賃を下げた結果、収支が成り立たず破産するオーナーも多くなります。その結局、新規で物件を建てる人が居なくなります。

田舎ではなく、立地の良い物件はほぼ満室で運営できるでしょう。ただ、その物件オーナーは全国の空室だらけの物件の家賃保証分を少なからず補填していると考えられます。また家賃保証だけでなく、建設コストにも上乗せされている事でしょう。

そのようなビジネスモデルは遅かれ早かれ続きません。会社が先に潰れるかオーナーが先に潰れるかのどちらかです。

 

正しいサブリース会社の活用方法

では次に、「サブリースは諸悪の根源」なのか?

私はある条件下において、サブリースは善だと考えています。

契約書はただの紙切れになる可能性があると理解した上で、正しいサブリース会社の活用方法を挙げてみたいと思います。

 

1.融資が通り易くなる

良い物件だとしても、現オーナーが入居者募集をしていない、現状回復をしていない等で、空室が多い場合があります。当然銀行としては、現在の家賃収入(入居している家賃分)から返済できるかを見ますので、空室が多いとマイナスの評価になります。結果、融資してくれないケースも多々あります。

そこで、サブリース会社が満室想定家賃を保証すれば、融資が通りやすくなります。

 

2.低属性向け賃貸物件に向いている

新しい物件、立地の良い物件はサブリースには向かないと考えています。理由は、サブリースしなくても空室率を低く抑えて運営できるからです。サブリース会社に天引きされる家賃保証分や色々付けられるメンテナンス代、新規建設コスト分を負担するのは馬鹿らしいと考えています。

但し、中古の築古、不人気の間取り、立地が悪い物件では、サブリースの活用は有りです。こう言った物件は、普通に募集しても中々満室になりません。仲介業者にその都度高い広告料を払う必要もあるでしょう。不人気物件の為、低俗性の入居者が集まります。そうすると、家賃の催促や近隣からのクレーム、夜逃げと言った事象まで発生します。

これらを自己(オーナー自ら)管理していたら地獄ですし、管理会社に管理して貰っていても苦労は絶えない側面があります。

こういった低属性に得意なサブリース会社があれば、ウィークリーマンション、Airbnb、シェアハウス、定期借家契約等を駆使し、満室にしようと試みます。また、クレーム処理や家賃回収といったノウハウも持ち合わせています。

 

3.利回りが高い

利回りの高い物件はリスクを取っているとも言えます。ただ銀行から借入をしている場合、毎月の返済余力がないと破産確率が高くなるのは算数のレベルで計算可能でしょう。

いかに割安な物件を仕入れられるかが重要になります。割安な物件とは、「回りから見るとリスクが高いように見えるが、色々と分析するとそこまでリスクが高くない物件」を意味します。そのような物件は物件価格が割安です。

私の潰れたサブリース会社に任せていた物件ですが、表面利回りで15%の家賃保証でした。それを潰れるまでの5年間貰い続けてきましたので、物件価格の7割ほどは稼ぐ事ができた計算になります。

潰れるタイミングは読めない為、あくまで私のケースはたまたま幸いだったと言えます。それでも殆どのサブリース会社が保証する利回りが一桁台の%とすると、2倍は安全率が高いと言えます。

 

まとめ

サブリースは何時潰れてもおかしくない。良く考え、調べる。その上で活用するか否かを判断する。

 

 

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