繁忙期の客付け戦略の結果、失敗に終わった。。

物件運営

1月~3月の繁忙期および4月~6月の第一四半期を過ぎ、以前投稿した戦略の結果について報告します。(以前投稿した戦略はこちら

戦略の通り、客付けが行われていたら、今頃満室となっています。しかしながら結果は、全くもって「失敗」という結果になりました。

2019年1月~6月末までの客付け状況
・空室発生=1件(計画0件)
・客付け(一般人)=1件(計画2件)
・客付け(生活保護)=0件(計画5件)

7月3日での空室率は以前と変わらず、25%です。(空室5/20部屋中)

失敗要因について

戦略の失敗について、原因を上げてみます。

1、賃貸仲介店から客付けしにくい物件と認知された。

購入から1年は合計5件の客付けを頂きました。5件をベースに戦略を策定しましたが、次年度以降、客付けしにくい物件と認知された可能性があります。
当初は、「オーナーが変わり、外壁修繕や内装修繕を実施した事で積極的に案内」を頂けました。しなしながら、徐々に「案内しても決まりづらい → 案内自体少なくなる → 成約が少なくなる」と言うサイクルになったと推測します。

2、ニーズが少ない。

手稲区の「ワンルーム/1K/1DK」の検索ニーズは全体の20.3%で、供給は29.3%です。単純計算で空室率は、31%です。当方の手稲区物件は現状空室率25%なので、少し良いと言えます。(参考:ホームズ見える賃貸経営

詳細に分析すると、手稲区物件は18㎡なので、同じく「15㎡~19㎡物件」の検索ニーズは2.4%で、供給は4.1%です。単純計算で空室率は41%になり、当方の手稲区物件はかなり良いと言えます。

しかしながら、問題は、『検索ニーズ』の少なさです。手稲区と同じ市内であっても、札幌市中央区の「ワンルーム/1K/1DK」検索ニーズは28%(「15㎡~19㎡物件」検索ニーズは3.7%)です。

手稲区に比べて中央区の「ワンルーム/1K/1DK」検索ニーズは、138%で、「15㎡~19㎡物件」検索ニーズに至っては、154%も違います。

ただ全体検索ニーズからすると、所詮2.4%~3.7%の検索ニーズしかないので、圧倒的に入居者数が少ない物件スペックと言えます。狭い間取りはこれから先も厳しい客付けを強いられると言えます。

3、札幌市内の他区と比較した時に、手稲区の家賃相場が高い。

手稲区の家賃相場は中央区から遠い(むしろ小樽より)にも拘らず、なぜか家賃相場が他区と比べても高い状況です。

手稲区物件を購入する際に、「意外と高い家賃を取れそう」と想定していました。しかし実際は、手稲区相場が他区と比べて高い場合はより注意が必要でした。
仮説ですが、「手稲区には、素人のオーナーが多く、昔からその相場で貸していたから」と言う事ではないかと思います。

中央区は、居住地だけでなく不動産投資先としても人気があり、オーナーチェンジが活頻繁におきていると推測します。よって玄人のオーナーが受給バランスに基づき、家賃設定を細めに調整していると考えられます。

手稲区と中央区の距離は、東京で言うと千代田区と世田谷区程の距離になりますが、家賃相場の差は、約1割しか変わりません。一方、東京の場合は、約4割の差があります。

比べて札幌の場合、家賃差が少ないこともあり、より札幌市中央区に賃借人が吸収されていく構造にあると考えます。

4、生活保護受給者は好んで安い物件に住まない。

一番期待していた、生活保護受給者の成約が0件でした。受給者向けに家具家電付の家賃36,000円の部屋を用意していたにも関わらず。

考察するに、中央区物件の想定家賃約34,000円と札幌市の住宅扶助上限36,000円はほぼ同じです。それ対し、新しく算出した手稲区物件の想定家賃(後述)は、約22,000円の為、住宅扶助上限との乖離は、14,000円もあります。

結果、生活保護受給者は、中央区寄りで良いスペック(広くて新しい等)の物件に流れます。

戦略の変更について(2019年7月1日より)

上記原因を加味した上で、新しい戦略を実施します。

1、設定家賃を札幌市内の他区と比較しても安くする。

上述したように、もはや手稲区近隣競合物件をベンチマークとし家賃設定すると満室にする事は難しいと考えます。(近しい家賃帯ならより中央区寄りに流れるから)

なので、札幌市全体で、「最低家賃」と同じ家賃に設定しました。

●新家賃
賃料:19,000円(旧賃料:24,000円)
水道料:2,000円(旧水道料:3,000円)
合計:21,000円(旧合計:27,000円)
 
●広告費
・3か月分(旧広告料:10万円)
 
■算出根拠
1、札幌市内全単身賃貸アパート物件を調査
2、分母3,704件(部屋)の重回帰分析を実施
3、手稲区物件スペックだと、家賃22,258円が相場
4、相場より約3,000円ディスカウントし、19,000円とする。
年間成約予測件数は4件

以前の投稿により、相場より3,000円安い場合、年間で4件の成約を期待できます。よって来年6月までに4件成約します。結果空室5部屋中4部屋埋まり、空室率は5%(1部屋)になるはずです。

ちなみに、生活保護受給者に期待するのは上述により辞めました。一般人の募集に力点を置きます。

2、保証会社を付ける。

これは借り手からみてネガティブな要素になります。ただ家賃が2万ほどなると、家賃滞納が起きた時の回収コストが割高になります。(実際は、管理会社さんに委託しているので、私の手間は変わりませんが、結果的に追っても回収不可になる事も多く、疲弊を避ける為=ビジネスを継続させる為の理由が大きいです。)

また2年間、連帯保証人、保証会社無と告知していたにも関わらず、手稲区物件では、思ったより反響が少なかった事も挙げられます。

戦略変更後、10月28日時点での中間報告

2019年7月1日~10月28日(約4カ月)の客付け状況
・空室発生=0件
・客付け(一般人)=2件
・客付け(生活保護)=0件

現状17部屋/20部屋中(空室率15%)

2件の内、1件は、近隣に住む方で、「倉庫」として利用したいという事でした。家賃を安くする事でこのような用途としても利用頂く事が分かりました。(倉庫としてDM募集しても良いかも知れません。)

年間成約予測件数上でも、4ヵ月で2件成約(予測だと6か月で2件成約)なので、予測よりも早いペースで成約してはいます。

まとめ

購入予定物件の広範囲における家賃相場を調査すること。仲介業者さんのよる物件紹介期間にはボーナスタイムがあり、良い循環(「客付けし易い」と言う認知)が無いと以降は著しく成約率が下がる。

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