引越繁忙期の1月~3月に向けて、空室を満室にするべく意気込むオーナーは数多くいます。
私もその1人です。保有している手稲区物件は、まだ空室も多く、この繁忙期に向けて賃貸戦略見直さないといけない状況です。
手稲区物件の空室状況
2018年12月25日時点で、空室が20部屋中5部屋あります。空室率は25%です。
現状のままだと繁忙期にどのくらい成約するか?(現状把握)
戦略を変えずに繁忙期にどのくらい成約があるか?シミュレーションをしてみます。
まず、前回投稿した通り、手稲区物件の年間成約数は5件(一般人4件、生活保護者1件)です。
但し、この5件は、1年間の合計数値であり、繁忙期だけの数値ではありません。なので、繁忙期だけで、どのくらい成約できるかを算出しなければいけません。
月別賃貸契約数
繁忙期のみの期間における成約数を算出するにあたり、athomeさん調べの「 2017年月別賃貸契約成約数(首都圏)」を参考にしました。首都圏とありますが、全国的にもほぼ同じとみなしています。
全体のサマリーは、
年間合計:234,444件
月平均:19,537件
下記は月別(四半期別)の表です。
項目\月 | 1月 | 2月 | 3月 | 第1四半期 | 年間割合 |
成約数 | 21,092 | 26,782 | 30,128 | 78,002 | 33% |
月平均との乖離 | 108% | 137% | 154% |
項目\月 | 4月 | 5月 | 6月 | 第2四半期 | 年間割合 |
成約数 | 19,461 | 16,171 | 17,918 | 53,550 | 23% |
月平均との乖離 | 100% | 83% | 92% |
項目\月 | 7月 | 8月 | 9月 | 第3四半期 | 年間割合 |
成約数 | 17,679 | 14,995 | 18,586 | 51,260 | 22% |
月平均との乖離 | 90% | 77% | 95% |
項目\月 | 10月 | 11月 | 12月 | 第4四半期 | 年間割合 |
成約数 | 17,728 | 16,746 | 17,158 | 51,632 | 22% |
月平均との乖離 | 91% | 86% | 88% |
出展:市場動向 -首都圏の居住用賃貸物件(2017 年 1 年間)-
月平均からの乖離で見ると、一番件数の少ない8月と繁忙期の3月では、約2倍の差があります。
また、1月~3月までの繁忙期で見ると、年間の33%がこの時期に成約している事が分かります。
繁忙期の「一般人」成約予定数は、1件(1.32件)
手稲区物件の年間一般人成約数4件を繁忙期成約係数33%に掛けると、
4件×33%=1.32件
となります。実際には、成約数は正数になるはずなので、1件と言った所でしょうか。
となると、手稲区物件の空室は、5部屋中1部屋が繁忙期に埋まり、4部屋が空室のままとなります。
月別賃貸契約数に当てはめると、残り4部屋も4月~12月までの四半期毎に約1件づつ成約し、結果、年間5件の成約となる計算になります。
現状のままだと、繁忙期に満室にはならず、あと1年掛かるという状況です。これでは、満室になるまでに物件購入からトータル2年を費やしてしまうと言う事になり、専業大家としてはイケておりません。しかしながら家賃も下げたくないと言う事で、戦略変更することにしました。
繁忙期中に満室にする為の戦略変更
それは、
生活保護者の積極的入居付け
です。
過去一年における手稲区物件の生活保護者の成約はたった1件です。この層を増やす事で繁忙期中の満室を目指します。
増やすには、前回の投稿の通り、いかに「住宅扶助上限に近づけるか」に掛かっています。
住宅扶助36,000円に対し、現在の設定家賃が、29,000円。その差は7,000円です。単純に7,000円値上げしても、成約数は上がりません。なぜなら、適正家賃が32,000円だからです。
なので、付加価値を付けて設定家賃を高めていきます。
家具家電付&水道料金込部屋の設置
札幌市の水道下水料金の基本料金が約月2,000円です。まずこちらを設定家賃に含め31,000円にします。
次に、家具家電を購入します。家具家電の予算は140,000万円とし、2年間(24カ月)で割る(償却)と、月当たり5,000円になります。
結果31,000円+5,000円=36,000円の設定家賃にできます。
全ての生活保護者が家具家電を持っていない事はありません。ただ一部持っていない方や、家具家電を新装したい方は一定数いると考えます。
重要な事は、何もやらないより、実行した方が、仮説の検証ができます。
繁忙期の、「生活保護者」の成約予定数が3件
前回の投稿の通り、生活保護者を積極的に受け入れる事により、通常より8倍の成約が見込めました。
計算すると、手稲区物件の年間生活保護者成約数が1件なので、年間で8件成約できる予測になります。
その8件を繁忙期成約係数33%を掛けると、
8件×33%=3件(2.64件)
となります。
残念ながら繁忙期には、満室にならない事が判明
一般人の成約1件、生活保護者の成約が3件で、合計4件となりました。
空室は5部屋あるので、残念ながら繁忙期では4部屋しか埋まらず、1件は空室のままのようです。。
第2四半期に、「一般人」の成約予定数が1件、「生活保護者」の成約予定数が2件
どうしても繁忙期に満室にこだわるか、否かで戦略が変わってきますが、第2四半期(4月~6月)までに満室を目標にしました。理由は2点。
1、繁忙期に退去が発生する可能性がある
2、家賃を下げたくない
どうしても繁忙期に退去が発生する可能性があります。成約と退去の入れ替わりです。手稲区物件はまだ1年強しか運営していない事もあり、年間退去率が定まっていません。
退去が発生する場合、3月末と言う繁忙期終わりの可能性も高くあります。その場合、その空室部屋は、第2四半期より募集開始になります。
では、第2四半期にどれだけ、成約予定か計算してみます。
一般人の成約:年間4件×23%=1件(0.93件)
生活保護者の成約:年間8件×23%=2件(1.83件)
繁忙期を過ぎても埋まらない1件の空室は、無事埋まりそうです。また繁忙期・第2四半期の退去分を含めても2件バッファ(余裕)があるので、なんとか晴れて満室にすることが出来そうです。その目安が分かれば、無理やり繁忙期に合わせて家賃を下げる事はしなくても良いと言う判断にいたしました。
根拠が弱い3点
結果の基となる根拠が弱い部分を明記しておきます。
1、生活保護者は、月別賃貸契約数の波と同じではない?
→一般人と比べて、生活保護者の月別賃貸契約数は、別の波を形成している可能性があります。その結果繁忙期、第2四半期までに満室にならない可能性があります。
2、退去率が分からない
→前述していますが、手稲区物件の退去率がまだ分かっていない為、思ってもみない退去が発生する可能性があります。ちなみに昨年は0件の退出でした。
3、家具家電付きの部屋が、家具家電無しの部屋と同じ成約率ではない可能性がある
→生活保護者の積極的受入れは8倍の効果がありましたが、これは「家具家電無し」の部屋をベースにした数値です。「家具家電付き」の場合も同じく8倍の効果があるか否かはやってみないと分からない状況です。
まとめ
繁忙期に向けた戦略は大事だが、所詮年間で33%の成約数にすぎない。他の時期も含めた仮説を立て検証する事が大事。
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